JESTAは歌詞を持たない。
歌詞は人の心を縛り、共感に頼る。
一方的なアーティストの歌詞は共感を得たいのか?
個人的な善悪の判断価値が付かない現代の社会情勢に、
正しさはどちらにもあり、悪はどちらにもあり、
愛はどちらにも、憎しみもどちらにもある。
JESTAとしての歌詞はあくまでテーマであり小説的な回想を歌として創っています。
怒りの歌詞に聴こえれば、怒りの歌であり、
悲しみの曲に聴こえれば、悲しみの曲でもあります。
聴き手にゆだねるというスタイルです。共感は求めない。
ただ「すべてに赦すことはない」がテーマではあります。
”Unknown Q-01”
Unknown ”Q”
序章〜歌が奪われた街〜
それでも最期まで父は、
「大丈夫か?」と聞けば、
「大丈夫だ」と答えた。
これはポエムじゃない。
はじめは、
言葉を奪われた。
しばらく黙っていろと言われた。
でも、黙らなかった。
次に空気を奪われた。
それでも何人かは他人の事とした。
だから、空気はあるのに
やがて、使うことを奪われた。
そして、医療を奪われた。
あんなに、
あんなに僕らには選択肢があったのに、
他人ごとにしたせいで、
どこかの誰かのことだろうとタカを括って、
とうとう医療を奪われた。
もう誰も責任すら取れなくなった。
どうすることも出来なくなったんだ。
さいごはもう、「救い」すらも奪われた。
そして「祈り」も奪われた。
そう、縛られた「怒り」は『完成』した。
悪魔は勝った。
何もせずとも人間は、
自ら神を捨て、神を裏切った。
最後の敵は人だった。
自ら選んだ人だったのだ。
つづく
作:Unknown ”Q”