Beginning to End.-005

Beginning to End.-005

2026機動戦土ガンダム・パラレルストーリー
【Beginning to End】
※これはあくまでコバたいの私的妄想的同人的ストーリーであり、あくまで趣味の範囲でありブログです。宜しくお願い致します。

 

第1章 第5話「実験」


 

地球と言うのは地上だけが最も空気が充満している不思議な空間だ。
地球の人は地上に落ちるという感覚が無いという。無重力が怖いというが、ちょっと飛び降りただけで重力は人の命を奪ってしまう地球の方がよっぽど怖いと思う。

この地下1㎞に及ぶアナハイムの整備工場だって、本当は空気が薄いのだ。空も地下も空気が薄いのにどうして整備工場なんかを作るんだ?

「エイナ!?どうしてアナハイムはこんなに広い地上に工場を作らずに、地下に作ったんだ?」

「え?そんなことも知らないの?

アナハイムは戦争やろうとしてるんだって!パパが言ってたわ!」

「えっ?戦争!?」

僕は無意識に空を見た。
地下に下りるエスカレーターでとうに天井は小さくなったライトに照らされている地上と地下の間の豪厚なフタだ。

ただ僕の意識は宇宙(そら)に吸い込まれる感覚になった。宇宙の無重力な感覚で生きていくことに必死なスペースノイドと、地球の重力にしがみつく特権意識の人間たちの、なんとも言えない憎しみは肌と心で感じられる。歴史で学んだ戦争はいつでも正義と宗教観に利用された地球人が一部の特権階級のために命を投げ出している悲しいイベントだ。

分かり合えない地球人は戦争だけでは飽き足らず、ウィルスでお互いを死滅させかけてもまだ気づかないのかと思うと、絶望に近い悲しみが僕を襲う。

(…人間だけが神を持つことで、地球人はお互いを殺しあう螺旋から逃れられないんだよ)

「リア―ッ!!どうしたの、リアー?」

甲高いメイナの声で我に返る。

「あなた時々、心ここにあらず、になるわよね?」

「なにそれ?」

「miles away. 昔、アジアにJapanっていう国があって、そこのProverbよ」

「そうかな?そうかも」

My mind is somewhere else.

何かを考えると誰でもそうなるんじゃないのか?そんな風に僕は思っていたけど、メイナには違うように見えるらしいのかな?
そんな風にあれこれ考えているうちに、エスカレーターは1番地上から深い場所に到着した。

広大な地下に広がる巨大整備工場の入り口はどう見ても物々しいセキュリティーに囲まれ、整備工場と言うより完全な基地に見えた。15:00から行われる動力機械のコクピット・テストは軍用機械のものなのか?そんなはずはない。であればスペースロケットやシャトルより難しいコクピットのはずだろう?

考えすぎだ。今は地球も宇宙も地球政府の管理する平和そのものだ。
平和の時代に平気を作るなんて考えられないじゃないか。早くテストを終わらせて地球の美味いメシを堪能したいものだ。

「メイナ!夜はサカナを食べたいね!」

「いいね!焼いたのは海のにおいがするからイヤよ!」

「ウォン商会のソースを掛ければ何でも美味いさ!」

僕らはセキュリティーを通って除菌ルームを通過し、ノーマルスーツデッキで宇宙と同じノーマルスーツに着替えた。

(つづく)

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